8月8日(土)。長編ドキュメンタリー映画「森聞き」の上映会と地元の小さな森聞きツアーを無事開催しました。ご報告が遅くなってしまったことをお詫びしつつ、ご報告させていただきます。

朝から水車の動力で杉の葉を挽き、ふるってお線香を作っている駒村晴明堂さん、専用の藁で「なりさげ」という神社に収める藁縄をなっている地元のおばあ ちゃんのところを、参加者のみなさん12名の方ととともにお訪ねしました。身近にこんなところがあったのか、じっくりお話を聞けて良かったというような感 想をいただきました。

映画の本編は、高校生以下、70歳以上で無料でご招待をした方たちを含めて76名の方にご来場いただきました。小さな子どもたちがゴロゴロ、ハイハイしな がら、声を出したり、外と出入りしたりすることも多かったのですが、みなさん、とても暖かく「共に」映画を見る場を共有してくださって感謝しています。ア ンケートにも、

子連れで行きやすい託児やKIDSスペース。子どもを連れて参加しやすいという点とてもうれしいです。またお願いします。
子どもやお年寄りへの配慮がとてもよかったと思います。
などという感想を多数寄せていただきました。

映画自体に関しては、
自然と対峙して生命をつむいできた人々の言葉が聞けました。
なかなか出会うことが難しい作品をみることができた。ありがとうございました。
しっかりとしたドキュメンタリーになっていた。
お誘いがなければ見る機会がありませんでした。とても考えることが多く、また知らなかった技の一部を感じられてよかったです。
森の名人の方々は皆さん一本筋が通っていてカッコいい。
好きだから続けているのではないというおばあちゃんの生きた言葉が印象に残りました。4人の高校生いいね。

など、みなさん、それぞれに映画自体を楽しんでいただいたように思います。

一方、ドキュメンタリー映画で、なおかつ、地方の言葉でお話になる映画ということもあって、

映画の中で一部聞き取れないところがありました。字幕が入るとありがたいです。
音質のせいで会話が聞き取りずらかった。ドキュメンタリーだから仕方ないかな
という聞き取りづらさについてのお声もありました。この件は、映画の制作、配給の方にもお伝えしました。そういう声はたくさん届いているようでしたが、見 ている方に字幕を「読む」のではなく、名人の生の声を「聞いて欲しい」という監督の想いがあってのこと、という主旨の返信をいただいています。

映画上映だけでない企画については、大変好意的に受け止めていただいたようで、
ツアーを企画していただき貴重な体験ができてとてもよかったです。
映画上映だけでなはないところが大きな価値だと思うので、次回も面白い企画をお願いします。
石岡という今回の映画の内容に共感できる人が多そうな場所でこの「森聞き」をシェアすることで町の映画館とは違う一体感を感じることができました。
あたたかい上映会、アットホーム感がよかったです。
上映会全体の企画がとても好感が持てました。

という今後への励みになるご意見、ご感想を多数いただきました。

ただ、会場の温度調節に関して、主催としても最大限努力はしたのですが、寒すぎた、というご意見を多数いただいたのと、前方に、親子スペースを作って、そ この照明を少し明るくしていたため、字幕が読みづらかったというご意見、スタッフが不慣れでドタバタ、これは慣れていくしかないというご意見もあり、次回 以降、対策を考える必要があると感じています。

ともあれ、語っぺシアター第一回目の上映会企画、映画「森聞き」上映会と地元の小さな森聞きツアー、みなさまのおかげで、事故もなく、無事に開催を終えられたことをご報告いたします。

次回は、10月18日(日)に石岡市八郷地区において開催の「八豊祭」会場、朝日里山小学校で、

●サティシュ・クマールの「今、ここにある未来」
10:45開場 11:00開映 70分 終映後、シェアタイム(自由参加)
●ヴァンダナ・シヴァの「命の種を抱きしめて」
13;15開場 13:30開映 58分 シェアタイム(自由参加)
参加費:各600円。申し込み不要。入場の際にお支払い

を予定しています。またお会いできるのを楽しみにしています。


映画「森聞き」上映会と地元の小さな森聞きツアー
日程:2015年8月8日(土)

◆映画「森聞き」上映会

場所:ひまわりの館(石岡市大砂10527)
    JR常磐線石岡駅より関東鉄道バスのりば2番「柿岡車庫」行き12:35発乗車「村上」バス停下車

時間: 12:45〜13:25       受付 

13:30〜15:35      本編上映

16:00~16:45       感想交流(自由参加)

当日券:1500円

前売り:1000円

高校生以下/0歳以上は無料(要予約)


●ボランティアによる託児あり(¥300)
  定員6名前後
  対象年齢 3歳以上(応相談)

●床にシートを敷いた親子スペースあり。お子と一緒にご覧いただくこともできます。

「森聞き」公式サイト http://www.asia-documentary.com/morikiki/index.html

 
主催:語っぺシアター

後援:茨城県教育委員会、石岡市、石岡市教育委員会、笠間市教育委員会、つくばね森林組合 
協力:八豊祭実行委員会/茨城有機農業研究会/まちかど情報センター/常総生協/暮らしの実験室/崇イチ(写真・映像)/〜やさと森のようちえん〜あおぞら♪/山田タポシ(チラシ作成)

   こんな方に

    先人たちの知恵に興味がある

    今の暮らし方とは違う世界を知りたい

    小さな子どもがいて普段映画が見られない

    石岡市内でも映画を見るチャンスが欲しかった

    映画を見たあと、誰かと感想など話をしたい

    「森聞き」って面白い映画だと聞いた

    夏休みの自由研究にいいかも?

    高校生以下/70歳以上無料のイベントをサポートしたい。

 

 

 やさとに暮らす「森の達人」に会いに行くツアー

 

定員:先着各20名ずつ(中高生優先枠 各10名)

参加費:200円

                

  •   9 :30     フラワーパーク駐車場奥集合(①②共通) 
              お車のない方:
    JR常磐線石岡駅より関東鉄道バスのりば1番「柿岡車庫」行き8:55発乗車
                  「フラワーパーク」バス停下車
  • 10:00          移動 (乗り合いにご協力ください)
  • 10:30~       見学・お話しを聞く
  • 11:30〜   移動→ひまわりの館で各自昼食

    ひまわりの館の中に、地元の食材を使った食堂【味味亭】があります。ご持参のお弁当を建物の外で食べていただくことも出来ますが、ひまわりの館の館内での飲食は出来ませんのでご注意ください。



①お線香作りの達人 
水車で作る杉のお線香  
駒村清明堂 


乾燥させた杉の葉を選り分け、粉にして振るうという仕事を、昔ながらに水車の動力を用いてお線香を作られています。完全に杉のみで作られたお線香もあります。「森聞き」甲子園の高校生の受け入れ先のひとつ(第6回H19)

 

②藁ないの達人の

おばあちゃん

 

神社やお祭で使用する「なりさげ」を手でなって20年。朗らかなおばあちゃんで、お会いするだけでほっとします。見るだけでなく、実際に触ったり、昔のお話なども聞かせてくだったりするかもしれません。

【物語】

■生きるというのは、好き嫌いじゃない

100 人の高校生が、100人の森の名人を訪ねる試みがつづけられている。この映画では、4人の高校生が、それぞれ日本各地の山村に暮らす老人たちを訪ねた。 「森の名人」と呼ばれる人たちの人生と技を聞き書きするためだ。綱一本で杉の大木に上り、良質の種を採集する76歳のおじいちゃん。小学校3年生のころか ら焼き畑を続けてきた85歳のおばあちゃん……。そんな老人たちの言葉は、意外なほどまっすぐ高校生たちの心の奥底に届く。

 

「焼き畑のどこが好きですか?」

高校生の女の子の何げない質問に、おばあちゃんが語気を荒げる。

「好きっちゅうことはないけん。ばあちゃんたちの一生の仕事だから。山があるから、そして種を切らさんためにしていくとよ。好きでやっとるとじゃないですよ。生きていくために、すっと」

そして、戸惑う女の子に優しくさとす。

「みんなそうだからね。植物、動物は全部、生きていて、子孫残すために、ちゃんと世渡りを何十年でも、何百年でも、何千年でも、自然とね」

 

年 老いた名人たちの言葉に、進学、就職、今まさに人生の岐路に立つ高校生たちの魂は、ゆっくりと、しかし確実に揺さぶられていく。「人生の質量」に圧倒され ていく。そして、自分が手渡した言葉を、若者がしっかりと受け取るのを見届けたとき、老人は満足そうにうなずく。それは、自分たちの積み上げてきた人生が 「たしかなもの」であったことを、あらためて確認できた喜び。

 

「おれは84だで。だども、頭の中はきれいなもんだ。おはんもな、目標持ってよ、元気にやればいいせ。何か行き詰ったときがあったら、もう一回来ればいいせ」

 

これは、断絶しつつある世代を再びつなぐ、信頼回復の記録です。

 

●2010年 カラー125分 日本●製作/配給:プロダクション・エイシア●監督:柴田昌平 ●プロデューサー:大兼久由美 小泉修吉●音楽:RAJATON ●助成:文化芸術振興費補助金●協力:第7" 森の聞き書き甲子園"実行委員会●©プロダクションエイシア